Web拍手の1行メッセージでご感想など頂けると励みになります。


DeathMaChronicle

書籍版各巻の概要

第1巻

  • できごと

 龍の谷を制圧後、ゼナを助ける。セーリュー伯爵領・セーリュー市で活動開始。広場の石打からリザらを救出。ザイクーオン神官、次いで下級魔族と対決。悪魔の迷宮に飛ばされ、「勇者」の称号を欠いたまま、「神殺し」の称号で聖剣を振るって上級魔族に勝利。脱出。龍の谷制圧時にアコンカグラを倒したため、「神殺し」の称号を獲得していた。

  • キャラ関係

 リザ、ポチ、タマ、アリサ、ルルを保護下に。ゼナと知り合う。リザ・ポチ・タマは、「迷宮での拾得物」に準じてサトゥーのものになる。

  • 食材・料理

 最初からカロリーバーを持っている。龍の谷の戦利品「奈落の水袋」は無限に水を供給。リザ、ポチ、タマは最初から肉が好き。

  • 武器・機材・技術

 露店でお祭り用の仮面とかつらを購入。この時点では仮面のまま名乗らず、悪魔の迷宮で上級魔族を倒す。のちに魔槍ドウマとなるリザの槍を現地製作。

  • その他

 ストレージ操作の記述は簡略だが「ポケット経由で」出し入れも可能。肩掛けの「格納鞄」も初期から保有。

 龍の谷の獲得貨幣ではフルー帝国金貨が最も多く、1000万枚以上。

第2巻

  • できごと

 魔術師ゼンの物語を観劇。街に落ち着くつもりで不動産を探した「何でも屋」で、大羽蟻の襲来時に店長のユーヤと知り合う。サトゥーはミゼとミーアを救った後、ユーヤのところへ担ぎ込む。ゼンにミーアをさらわれ、それを追ってトラザユーヤの揺り籠に至る。迷宮を突破し、ゼンを介錯してホムンクルスたちとミーアを救出。ホムンクルスたちはサトゥーを主人と認め、ナナだけが同行。

  • キャラ関係

 奴隷商人ニドーレンによると、亜人差別のひどい地域では、主人のいない亜人は奴隷以下の扱いを受けるとのことで、サトゥーはリザたちの解放を断念した。

 ミーアとナナが旅の仲間に加入。ミーアを故郷に送る旅に出発。ゼナは弟が家督を継いだら「迷宮都市(セリビーラ)」へ行くと約束。

  • 食材・料理

 リザの「鳥肉が至高」発言。

  • 武器・機材・技術

 領主の許可証なしに魔法の巻物は購入できないと言う記述。亜人向けの鎧を作ることを職人が拒否したため、革鎧の製作用具を購入。「トラザユーヤの揺り籠」で手に入れたトラザユーヤの研究資料は以後もたびたび登場。

  • その他

 アリサのギフト「アイテムボックス」を見てサトゥーもスキル「アイテムボックス」を取得。

 この時点では魔法薬を作ることができず、ユーヤが魔法薬の都合をつけるまでミーアをどうすることもできなかった。

第3巻

  • できごと

 ミゼとともにミーアを守った鼠人族の生き残りが奴隷になっているのを見つけ、買い取って解放する。襲撃時に倒れた仲間に墓を作ってやる(アニメ版では鼠人族たちが墓を作る)。ミゼも供養と捜索にやってきて、ミゼから「ボルエナンの静鈴」を譲られる。アニメ版では省略されたが、ジョンスミスが日本語で書いた陶芸関係のメモを別の鼠人族から贈られる。

 クハノウ伯爵領でヒュドラに襲われた被害者を救出し、マップ空白域を警戒するうち幻想の森を発見し、幻想の森の魔女と知り合い、森巨人への手紙を託される。

 ストレージは温度と鮮度を保持するがアイテムボックスは保持しないなど、様々な魔法薬のトリビアを駆使して、幻想の森の魔女にクハノウ伯爵との魔法薬納品契約を破らせようとするたくらみを阻み、幻想の森の魔女が遠征先から連れ帰ったクハノウ伯爵に裁かせる。

  • キャラ関係

 全員がひとつずつぬいぐるみを作ってもらう際、ナナは最初にできたヒヨコを欲しがる。以後ナナにヒヨコ柄はつきものになる。

  • 食材・料理

 棘甘草を処理しているうち、「調理」スキルを取得。30頭弱の噴進狼を捕獲。

  • 武器・機材・技術

 セイリューを発つ前に買った練成板を使い、「調合」「練成」スキルを取得して魔法薬が作れるようになった。また魔核の粉などから「魔法道具製作」ができるようになった。今まで遠距離攻撃は魔法銃を多用していたが、「弓」スキルを得た。棘甘草を使った甘い魔力回復薬を開発。露店で買った紙束は、聖剣の製造方法を暗号で記したものだった。

  • その他

 壊れた転移門(石鳥居)で、サトゥーがフラッシュバックを見る。

 楽器製作と演奏のスキルを取るが、やはり演奏結果は音痴である。

 王・領主やその継嗣は都市核と契約する関係上、神殿の洗礼を受けることができないという事情が語られる。

 ムーノ男爵の晩餐で、ダイコンがオークと関係づけられ、毛嫌いする人々が多いと語られる。昔日のオーク帝国との対立の中で王祖ヤマトがシガ王国を建国していった事情はこの後少しずつ語られる。またサトゥーとたまたま会ったオークの生き残りが、サトゥーが持っていた大根を喜ぶシーンもある(第7巻)。

第4巻

  • できごと

 リザを連れて先行し、ヒュドラ(Lv44)を撃破。しばらくサトゥーが強さを隠していることはリザだけが知ることとなる。深刻な飢饉を目にして、ヒュドラ肉など魔獣肉を試食。子どもと老人だけになった集団を発見し、食糧を与えるうち、放棄されていた古代兵器「魔砲」の重要部品と取扱説明書、ついには本体を手に入れる。またアンデッド掃討戦で「魔刃」スキルを得る。

 森で出会ったムーノ男爵の娘カリナは、単身で巨人の里へ援助を求めに行くところだった。執政官に化けた魔族が弱気な男爵を尻目に暴政を敷いていた。

 観光客として巨人の里に滞在を許されたところ、ヒュドラの毒を受けた巨人の子供を万能解毒薬で直し、朱色の魔弓をもらい、「魔封じの鈴」を借り受ける。

 ムーノ市では山賊討伐に軍が動員され、がら空きになった城をデミゴブリンの大群が襲う手はずになっていた。魔封じの鈴で執政官の正体を暴いた一行はこれを撃破。森巨人の助けも得て、デミゴブリンと行動を共にしていた魔族も打ち破る。ゼンの呪いを受けていた都市核は解呪され、サトゥーはムーノ男爵の家臣サトゥー・ペンドラゴンとして名誉士爵に叙せられる。

  • キャラ関係

 ルルが魔法銃を使うようになる。

  • 食材・料理

 黄橙果実を手に入れたが料理に出てくるのは次巻以降。

  • 武器・機材・技術

 馬車用暖房設備、次いでコタツを製作。聖剣関連技術として聖牌、青液を製作。魔力の流れを道具内で調節する「魔法道具調律」スキルを取得し、「魔刃」スキル習得につなぐ。アンデッドの巣窟付近で蛇血石の採取地を発見。森の断崖から水石、土石、風石を採取。森巨人の里では山樹の実(酒の材料になる堅殻果実、甘い黄橙果実など)を入手。

 木魔剣・木聖剣を皮切りに、魔剣・聖剣の生産が始まる。

 また森巨人の里で、コボルドの子供が成長するのに必要な青晶の鉱脈を探して提供し、あわせて光石を採取。

  • その他

 怨嗟・怨念を集めて魔王復活のエネルギーとする邪念壺が初めて登場。

第5巻

  • できごと

 テニオン神殿の神官セーラを含むオーユゴック公爵幕下の貴族たちがムーノ男爵領を慰問する。宴会以外何も起きないが、王都へ向かう男爵令嬢カリナ、公都へ戻るセーラらとサトゥーは一緒に男爵領を発ち、すぐボルエハルトのドワーフ領に向かう。

 鍛冶工房の見学を申し込んだサトゥーだったが、名匠ドハル老は「人となりを見るために、まず1本打ってみろ」という。実際には相槌役だったが、膨大な魔力と調整力で各工程を少しずつ後押しするうち、ドハルが生涯最高と評する剣ができ、「妖精剣トラザユーヤ」と名付けられる。ドハルの真印が刻まれたその剣は、以後サトゥーの名刺代わりになる。酒宴にも付き合い、すっかり意気投合する。

 公爵領グルリアン市に近づいたところで、嗜虐的な盗賊団が多くの人質を取っていたが、それも邪念壺に似た呪怨瓶にとりつかれた首領が命じていることだった。助け出した人々の中に、シーメン子爵家のトルマがいた。

 トルマと共に武芸大会たけなわのグルリアン市を観光していると魔族が出る。「短角」を使って魔族になった初めての例。カリナは元気に戦ったが、セーラはひん死になり、サトゥーの薬で命を取り留める。じつはセーラは巫女でありながら、自分の神から死の予言を受けていたのであった。

 一見平和が戻ったような日々だったが、マップに表示されたセーラの状態が「憑依」になったことに気づいたサトゥーはひとり公都に赴く。苦戦の末に黄金の猪王を打倒したが、魔王を背中から出現させたセーラは死亡。セーラたちのやりとりから、テニオン神殿の神聖魔法に死者蘇生の呪文があると察したサトゥーは巫女長に掛け合い、復活魔法用のアイテムに膨大な魔力を充填して、セーラの生還を確かめて立ち去る。

  • キャラ関係

 サトゥーが魔族を退治する偉功を建てたことに嫉妬を隠さないケオン・ボビーノ卿は、のちに「自由の翼」を庇護したかどで処断されたボビーノ伯爵家の人物。主犯の前伯爵は「病死」と発表され、現伯爵は引退を強いられ、その四男であったケオンは兄たちが変死・魔族襲撃でいなくなったため爵位を継いだ(第7巻187頁)。

  • 食材・料理

 コンソメスープ、てんぷらが登場。ドワーフの里でひき肉器を手に入れ、ハンバーグが作れるようになる。公都近くの川ではタコが売られていた。

  • 武器・機材・技術

「天駆」スキルが登場。飛び石状の立方体を出現させて空中を駆ける。リザは「魔刃」、ナナとサトゥーは「挑発」を習得して後衛にタゲが飛ばなくなった。

 魔王復活阻止の戦いで「縮地」スキルを得た。

  • その他

 ラスト近くで、魔王復活の神託があった7か所が明かされた。

第6巻

  • できごと

 サトゥーは船で公都へ向かう途上、近道のため便乗してきた勇者ハヤト・マサキの従者にしてセーラの姉、リーングランデと試合をして敗ける。

 観光客として過ごしていると、剣豪だが女たらしで癇癖の王子、シャロリックに出会う。炊き出し現場でセーラと再会し、一緒に手伝っていると姉のリーングランデがやってきて、かつての婚約者であるシャロリックと鉢合わせする。ちょっとしたことでセーラを殴ろうとするシャロリックをサトゥーが止め、いさかいとなったが、魔王信奉者の生き残りが襲撃してきて、撃退するとうやむやに。

 そして武芸大会の決勝戦。上級魔族の襲来に、リーングランデが「神授のお守り」を起動し、勇者ハヤト・マサキも現れる。だが上級魔族は鯨サイズの大怪魚を7尾同時に召還した。

 救助を優先させていたサトゥーは貴重食材の参戦にちょうど合わせて戦線に加わり、レベル310の力で必殺武器と化した「光線」で次々と頭を落とす。次いでナナシの姿で現れたサトゥーは、上級魔族を「魔力強奪」をキーとするコンボで破る。

  • キャラ関係

 武術大会で、カジロやアヤゥメ(この巻では「女侍」)と出会い、ポチらの師範をやってもらう。

 アリサは精神魔法をリセットして空間魔法に切り替える。

 ナナシは王祖ヤマトと長く間違えられ続けることになるが、聖剣クラウソラスを起動した姿を民衆が見て歓呼したのが最初。

  • 食材・料理

 テンプラとコンソメスープで公爵はじめロイド侯爵、ホーエン伯爵ら食通貴族をうならせる。「奇跡の料理人」の通称が使われ始める。公爵の厨房で豆腐を見つける。公爵家の料理長らにかき揚げ丼をまかない料理として振る舞う。

 イチゴ、干しブドウを港近くの市場で発見。武芸大会の魔族襲撃で、大怪魚の鯨肉を入手。鯨同様、大怪魚も肉だけでなく以後いろいろ使われることに。

  • 武器・機材・技術

 シーメン子爵(トルマの兄)の口利きで「光線」「遠話」などの魔法巻物とジャハド博士(書籍版第13巻まで未登場)の著書を入手。魔法「彷徨いの森」に隠された別のスプリガンの店で、「遠見」「透視」など本来は作製禁止の巻物と、空間魔法の魔法書を入手。「彷徨いの森」は初登場。

 シーメン子爵の工房に在庫していた「帰還転移」「理力の手」など数十種類を購入。また「花火」などオリジナル魔法を含む多くの巻物を発注。「帰還転移」に対応し、刻印板の大量設置始まる。

 シーメン子爵の工房、「花火」「幻花火」の巻物を量産。

 歌手シリルトーアからミーアが楽器を譲られる。

 飛空艇を初めて見る。

 第5巻の魔王戦のドロップを確認。氷石、闇石を相当量入手。

  • その他

 事件に巻き込まれたアシカ人の子供たちに、ナナがなつかれる。

 神託が分かれたのは魔王の同時復活、つまり「大乱の世」到来を意味するとシャロリックがいう。

 魔王を倒し「真の勇者」になった過去の転生者は、望むなら日本に帰れたとアリサが言う。保護対象者たちを置いては帰れないとサトゥーは考える。

第7巻

  • できごと

 サトゥーが日本人らしいと聞いた勇者ハヤト・マサキがサトゥーを訪ね、アリサと再会する。同時にメネア・ルモォーク王女が現れ、ルモォーク王国の竜を退治するようハヤト・マサキに願う。

 黒竜は圧倒的な強さを見せるが、竜の逆鱗にトゲ(じつは鼬人族が作った竜爪槍の穂先)が刺さっていることに気づいたサトゥーが「理力の手」でこっそり取ってやると、機嫌を直した竜は去る。実力を隠し通せたが料理は喜ばれ、すっかり仲良くなる。

 トルマの紹介で、海龍諸島の貿易船団が消息を絶ち窮地に陥ったエムリン子爵から、味の良くないルルの実の活用法研究を依頼される。菓子に使う加工品として実用化にめどをつけ、評判となる。

 ハヤト・マサキはオーユゴック公爵の嫡孫ティスラードの結婚披露宴に顔を見せ、テンプラと白い飯に望郷の涙を流す。

 ルモォーク王国で召還された8人の日本人のうち、ユイとアオイがメネアに連れられてサトゥーを訪ねる。5人は死んだか、死んだと思われており、魔族にさらわれた性別不明の8人目がサトゥーではないかと確認に来たものだった。相次いで現れたマサキはサトゥーを転移者と見破ったことを告げ、アリサを託す相手として戦闘技術や技を伝授する(第14巻現在、8人目の件は未解決。Web版での決着は13-37)。

 ある日、メネアは滞在費を金策するため、闇オークションへの護衛をサトゥーに依頼する。白虎人族の王女ルーニャ姫が奴隷としてオークションにかかったのを同胞のガルガオロンが救出する企みに出くわし、それを阻止しようとするマキワ王国のダザレス侯爵が観客を危険にさらす魔法を使ったため、サトゥーが昏倒させる。救出は成功したようだった。

 別の日、トルマと飲みに出かけたサトゥーは、街にほとんどいないオークの錬金術師に出会い、後をつけて勇者の称号を見せ、ナナシとして接する。転移門の向こうにオークたちの居住区があった。ガ・ホゥはヤマトとともに戦った歴史の証人だった。

 エルフの里に近づいたころ、ダザレスに焼かれた村を発見する。ルーニャ姫をまだ追っているのだった。黒い龍が火炎杖の副作用で、貴族を追っていた。

 プタの街で、サトゥーは守護のポトン准男爵がダザレスを宿泊させていることを知る。その街の交易所で、火傷薬を求めるガルガオロンを発見したサトゥーは回復薬を売ってやる。ポトンはロイド侯爵の派閥に属していたため、サトゥーは紹介状や家紋入り短剣で脅しつけ、ダザレスを追い出すように仕向ける。ダザレスはポトンを逆に監禁し、街の魔狩人を糾合してサトゥーの宿を襲おうとする。ガルガオロンの加勢もあって難なく反撃され、ダザレスはポトンの城にこもるが、そこへ火喰蛇竜が杖に引かれてやって来る。進退窮まったダザレスは自らに長角を使い、中級魔族となる。しかし火喰蛇竜も逃げ去る存在、黒竜がやってきて、中級魔族を瞬殺。

 黒竜との格闘戦を制したナナシは、酒を勧めて友達になり、7日後の大宴会もこなして、折れた牙や竜泉酒をみやげに、エルフの里へ向かう。

  • キャラ関係

 画家のアトリエを訪問して、タマ画伯の才能が明らかになる。

 万一の復活を期してメンバーにテニオン教の洗礼を受けさせる。原因不明だがサトゥーとアリサは「洗礼:テニオン教」の隠し称号がつかない。勇者のステータスを見ると「祝福:パリオン神」があるのだが、サトゥーたちにはそれもない。

 ルモォーク王国で召還され、左腕だけが発見され「出血からして絶望」とされた3人目は、サトゥーが入手した陶器の作り方と同一筆跡のメモを残していたため、ジョンスミス(名前はまだ不明)であるとわかった。

 オークの錬金術師ガ・ホウの昔話で、黄金の猪王はヤマトとともに戦ったオーク王であり、フルー帝国打倒の過程で無理をして魔王化したものだと語られる。

  • 食材・料理

 勇者のジュールベルヌ号でコーヒーを供され、この世界にもあると知る。

 黒竜が去った後、竜の鱗、竜泉酒、いろいろな霊草を採取する。このときの竜泉酒の小瓶はオークたちへの贈り物になる。

 プタの街で、赤実と呼ばれるトマトを入手する。以後、ピザに重宝される。マヨネーズに似たタレが使われていたが、やはりジョンスミスが広めたものだった。

 巻末近くで黒竜からもらった竜泉酒はのちに酒侯位を得ることに貢献する。

  • 武器・機材・技術

 鼬人族がつくった竜爪槍の穂先と、後になって黒竜ヘイロンの折れた牙をもらい、のちにリザの槍に使われる。

 武芸大会を観戦に来たシガ国王の影武者にナナシとして会い、聖剣クラウソラスを返そうとするが、ナナシほど使いこなせるものはいないと辞退され、かつてゼンが強奪したままだった聖剣ジュルラホーンを返却する。

 龍鱗粉を使った高性能な聖矢、青液と魔液を仕込んだ聖弾・魔弾を製作。

 青銅魔剣と青銅聖剣の試作に成功。もっと良い材料の魔剣・聖剣には劣るが、聖剣クラウソラスと外見が似た贋作を作るには都合がよく、シガ国王(の影武者)に進呈する。

 マサキから「魔力視」「空間掌握」「先読み:対人戦」など多くのスキルを伝授される。

 大怪魚の外皮を使った鎧、青銅武器に見せかけた魔剣、山樹の枝を使った魔法杖などに装備を更新。

  • その他

 闇オークションで落札した『海底都市ネネリエの秘密』や魔法薬水増しの手引書はのちに役立つ。ただしネネリエそのものは書籍版未登場で、Web版14-11が初出。

 また後日のオークションで、試作品の魔剣アカツキなどを試しに売却する。

第8巻

  • できごと

 ボルエナンの森に到着。再会、宴会。トレント(樹人)が芽吹きの季節を迎え、手が離せないアーゼの代わりにサトゥーが魔力を大量供給。一気に黄金の実まで実ってしまう。

 これから迷宮都市へ行くと聞いたエルフたちから、それぞれ武芸を教えてもらう。アーゼの多忙に加え、虚空服(宇宙服)が急に必要になるなど慌ただしい様子がほの見えていたが、実は邪海月が大量発生し、世界樹のはるか上方に取りついて弱らせていたのだった。放電現象で負傷・孤立したエルフを救助。邪海月への対処を研究するサトゥーだったが、カレーの材料がそろったので福神漬けを求めて公都からクハノウ伯爵領まで行き、大根の福神漬けを確保する。

 カレー祭りを経て世界の救済任務に戻ったサトゥーは、邪海月を誘引して引きはがす試行錯誤のうちに、カレーの香りが邪海月をひきつけることに気づく。ゴーレム技術など最近習得した基礎技術を組み合わせ、引きはがした邪海月を「光線」の一斉射撃で駆除する。

 8本の世界樹がこの方法で順次救われ、それぞれの里のハイエルフ(聖樹)が勇者ナナシを9人目のハイエルフに列する。報償として他の里が供出した膨大な聖樹石を、ボルエナンがかつて失った光船(宇宙船)の再建に充てるようサトゥーは申し出る(Web版9-33では、聖樹石の代わりに光船の現物がボルエナンに贈られる)。

 里への責任、神々の怒りへの懸念から、アーゼはサトゥーとの交際を断る。サトゥーはいつか抜け道を見つけると決意する。

 ミーアはサトゥーに自分の額にキスをさせて婚約の儀式を済ませ、擬制成人としてサトゥーに同行することを両親に認めさせる。

  • キャラ関係

 肉を食べようとしないミーアが、実はただの好き嫌いとばれる。

  • 食材・料理

 ハンバーグが幻の料理とされており、サトゥーの手で復活し評判になる。カレーとチョコレートも切望されるが、チョコレートの再現は後の事になる。牛丼も供される。

  • 武器・機材・技術

 全員分の翻訳指輪を貸してもらう。

 トレントから芽吹き協力の礼に樹霊珠をもらう。

 繊維と布について色々なバリエーションを教わる。虚空服とゴーレムの作り方を学ぶ。釣りを学ぶ。果実入りで口当たりの良い栄養補給薬を教える。魔法の鞄(妖精鞄)の製法を学び、全員分を確保する。魔法の鞄に生物が入れられないのは、窒息死などの事故を防ぐための設定された仕様だとわかる。

 放電現象で負傷・孤立したエルフを救助し、様々な繊維・食品・素材を報償に受け取る。

 天駆、縮地の複合上位スキル「閃駆」を得た。

  • その他

 かつて召還された勇者ダイサクが様々な日本文化を持ち込んでおり、人間のイメージ通りの森の家が地上に、本当の居住区が地下に造られている。

 サトゥーが精霊を引き付け、精霊光を出していることが初めてちゃんと説明される。ミーアが「きれい」と言っていたのはそのことだった。「精霊光制御」のスキルを得て抑えられるようになる。

第9巻

  • できごと

 ボルナレンの森から南に開けた海は「彷徨いの森」の魔法で守られていた。帆船を仕立てた一行は海路でセリビーラ方向に西進する。幽霊船を海底に見つける。船長の幽霊が語るところでは、「ララキエ」が飛び立つための鍵を奪取してきたものの、追いつかれて浮城ヌヌリエと戦い、敗れたもののようだった。

 その後、魔法無効の魔方陣によって存在を隠された、撃墜された空中都市ノノリエの跡、虐待された住民たちの遺物、魔法無効の罠にかかりシーサーベントなどの餌食になった沈船群を見つける。

 遺体を供養していると、まだ活動している幽霊船が艦載スケルトンを従えて攻撃してきた。それらを駆逐すると、ララキエ最後の女王の伴侶である骸骨王が指揮する幽霊船団が続いて現れ、「ララキエの鍵」を渡さぬと宣言した。さらに退けられると、骸骨王は「幽界渡り」スキルの効果で姿を隠してしまう。

 戦いの後、一行は岸辺に半幽霊の女性レイを見つける。記憶喪失のレイは瘴気におおわれており、サトゥーがそれを除くと若返って幼女となった。称号は「ララキエ最後の王女」だった。

 もとの航路に戻り、海龍諸島を抜けようとする頃、エムリン子爵の貿易船団の生き残りを発見(書籍版第7巻で言及)。彼らから、ララキエと関わりがあると思われる魔導王国ララギが行く手にあると聞く。

 次の寄港地は、まだオーユゴック公爵領である貿易都市スウトアンデルだった。レイを姉さまと呼ぶ、正体不明の少女がレイを奪取しようとしたが阻止。そして市内騒乱のさなか、スウトアンデルの太守がエムリン子爵その人に代わっていたとわかり、サトゥーらは歓待を受ける。

 スウトアンデルの酒場で、海洋国家イシュラリエの王族も空飛ぶ城の末裔だとのうわさを聞きこむ。だがその近海でマグロが獲れるという情報のほうがサトゥーの心を動かす。

 レイは記憶喪失のまま、時々トランス状態となりララキエ関連の事物を棒読みに解説するようになっていた。それによってサトゥーは、レイの髪飾りが「ララキエの鍵」に他ならないことを知る。

 飛行できることを秘匿するため、護衛が帰るようガニーカ侯爵領沖合まで西進したところ、海賊に襲われた船を救援して逃がし、制圧した海賊船にいた奴隷たちを解放する。その中にいた地元の有力者が中心となって行き場のない奴隷たちを糾合し、サトゥーが進呈した海賊船に新たにペンドラゴン家を模した紋章を掲げ、筆巻龍商会として営業を開始する。

 飛行を始めて旅程を短縮したサトゥーたちだったが、火山島で恐竜のような獣、炎王に出会い、あっさり倒す。後で島を調べると、封印が解かれたような跡があった。近くの島々で待望のカカオ豆を見つけた一行は、イシュラリエに入る。ララキエ王朝下の都市国家、トトリエの遺民が地上に立てた国家のようだった。

 翠絹などシガ王国の産品を献じられ、王は「天涙の雫」の交易を許し、間もなく祭礼を行うララギに向け、身分を隠したサバーン王子を護衛してゆくよう依頼する。

 ララギへの途上、乗員のいなくなった貿易船25隻を確保する。骸骨王が乗員をアンデッドとして徴発したようであった。ただひとり発見された生存者は、迷宮都市セリビーラの太守をしているアシネン侯爵家の次男レイリーだった。

 サバーン王子の好意で、サトゥーはララギ王に引き合わされ、竜泉酒や妖精葡萄酒を献じて激賞され、酒侯に任じられる。王はサトゥーの求めに応じ、ララキエ最後の女王が犠牲となって、世界の神殿すべてを焼き払おうとする狗頭の魔王の眷属「海王」を封印したとする伝承を語る。さきに倒した炎王も、狗頭の魔王が持つ眷属の一頭だった。

 レイリーは、海賊に解放され行く当てのない人々を誘って新商会を立ち上げたいと、サトゥーに出資を願う。

 その結論を出さないうちに、タコの怪物「海王の落とし子」や幽霊船団、そしてレイの「妹」ユーネイアがララギに来襲する。そしてサトゥーの留守に、ララキエの鍵を始め、ララキエの起動に必要な宝物がすべて骸骨王の手に落ちてしまった。起動を水際で阻止すべく、サトゥーは封塔島に向かう。

 ああ、しかしなんということだろう。この海域にいると聞いて楽しみにしていた巨大マグロが現れ、サトゥー一行は大トロ祭りを始めるのだった。さらに寄り道して、ロック鳥である空王と12行に渡る死闘を繰り広げ、大量の鳥肉を獲得する。そして封塔島に到着すると水着回が始まり、海辺の焼きそばまで食べて後片付けが終わったころ、レイがそっと動いた。不完全な記憶に沿って中央制御核と接触したところにサトゥーが追い付き、古代にも尊崇されていたエルフの使者の証たるボルナレンの静鈴で中央制御核に同行する。中央制御核はレイの記憶を修復させたが、その間に骸骨王とユーネイアはララキエの浮上を開始させ、周辺に津波が生じていた。サトゥーはまずそれを食い止め、レイのもとに向かう。

 タコ状の怪物である海王は、かつてレイの母と叔母が制御を試み、果たせずにかろうじて封じたものだった。骸骨王は上級魔族にだまされ、偽りの「妻の願い」を吹きこまれていた。叔母の代わりのホムンクルスであるユーネイアとともに、レイは一瞬でも海王を支配し、自死に追い込むことを決意する。

 サトゥーが介入したのはちょうどその時だった。120本の「光線」を収束させると、台詞も反撃もなく海王は真っ二つとなる。『はい、終了』サトゥーの力強い勝利の宣言が響く。サトゥーはレイとユーネイアにまとわりつく瘴気をはがすうち、「呪詛返し」のスキルを得る。骸骨王が必殺の呪詛をサトゥーに向けて放ち、それが骸骨王の運命を決する。

 瘴気に弱いレイは迷宮都市に同行せず、島に戻ったララキエでユーネイアと暮らすこととなる。レスターは事業計画をまとめ、サトゥーの出資を受けて筆槍竜商会の経営に乗り出す。

  • キャラ関係

 エルフとの修業で、ルルが護身術スキル、ミーアが精霊魔法を獲得した。

 第13巻で登場するクロウという少年が、かつてのララキエでレイと会い、天界人の地上搾取について語るシーンがある。髪は紫。

 Web版ではセリビーラ太守のアシネン侯爵と旅先でトラブルがあり、セリビーラに着いて詫びの贈り物をするところから交流が始まるが、「アシネン侯爵の蛮行を目にするが直接対決はしない」ように変わっている。

  • 食材・料理

 ウドゥ語の通じる島(名称不詳)でココアを供され、周囲を探してカカオ豆も入手する。

 ララギでは砂糖、牛などを買い付ける。

  • 武器・機材・技術

 エルフから様々な合金技術を学んだことが冒頭に記される。

 座乗するガレオン帆船は聖樹石機関を動力源とし、空力機関により空を飛び、帆に風魔法の風を受ければ時速60km可能。最大高度60m。

 幽霊船を皮切りに十数隻の沈船をサルベージする。弦と矢が魔法で発生する魔法弓、小型魔砲などの艦載兵装を多数入手。金銀宝石のほか美術品があり、次巻以降で贈り物に使われる。

 イシュラリエ特産の宝石「天涙の雫」は、樹木から採れる「アルア樹脂」を原料とするもので、原木ごと技術を秘匿しているもののようだった。内陸にあるシガ王国王都への交易品として、真珠、珊瑚などを買い付ける。なお登場時の台詞にもあるように、「アルア樹脂」はエルフの里にも樹木があり活用もされている。続巻で「イシュラリエの天涙の雫」と称して、エルフの高度な加工物が送られ、カバーストーリーとしても働いている。

  • その他

 ララギを通らずシガ王国領からイシュラリエへの直行は困難、もしくは航路が知られておらず、ララギの関税を課さないシガ王国の産品はイシュラリエでは喜ばれた。逆に「天涙の雫」は第10巻以降で、サトゥーのシガ王国における重要な交易品、また贈り物となる。

 冒頭近くで登場する幽霊船長は、「真実の室」「聖上」といったキーワードからすると、Web版15-24前後に登場する勢力の人物で、何かを奪うために侵入しており、逃げ切れなかったと思われる。Web版15-24では浮き城に使われている貴重アイテムの名が挙がっているが、この書籍版ではレイの髪飾りのことか。

第10巻

  • できごと

 冒頭のドタバタ劇に混ぜて、のちにサトゥーの活躍に関わる多肉植物ベリア、ノロォーク王国のミーティア王女、セリビーラ近郊にあるトラザユーヤの居館でミーアが利用を許された「蔦の館」のことが少しずつ触れられる。

 太守公館に太守夫妻は不在で、ソーケル太守代理は怠業のうえ、心酔するシャロリック王子の奇禍をサトゥーのせいと考えていて敵対的だった。相談役のポプテマ前伯爵は穏やかに、太守に宛てたレスリーの手紙を受け取って太守に渡すと約束する。

 最低ランクの木証で探索者登録を済ませると、みんなで早速迷宮に繰り出す。貧弱な装備の新人、運搬人を志願する貧しそうな子供たち、魔獣肉を使った粗悪な食品など、ダンジョンの現実が目につく。

 人のいない狩場を探すうち、蟻の群れをトレインしてくる探索者たちに気づく。その中に、のちのちまで付き合いができる「麗しの翼」のふたりがいて、最後尾だった。すでにチーム・ペンドラゴンの装備とレベルは十分で、難なくトレインと横沸きを連続処理する。

 厄介な敵がいる場所の向こうは過疎区画だった。区画(30~100の小部屋)の主である魔植物をサトゥーが魔刃で両断する。魔物が湧かない部屋に「別荘」を構え、サトゥーが獲物を引いてくることでレベリングを開始する。

 5泊6日で上がってみると、帰りが遅いのでシーメン子爵が捜索隊を出すところだった。

 宿ではサトゥーたちを絶望とみて、馬車をデュケリ准男爵に売り飛ばす話を進めていた。不信を抱いたサトゥーは宿を引き払い、蔦の館に移る。トラザユーヤの魔法道具を狙う襲撃・侵攻があると聞き、往来に誘拐などのリスクがあることから、市内にダミーの館を構えてそこから転送で行き来することとする。たまたま魔術師ゼンの呪いで周辺の土地まで買い手がつかなかった館があり、周辺ごと買い取って解呪する。無人の館に起居していた孤児たちがいたので日々雇用で保護下に置く。[書籍版ではデュケリとの仲はWeb版より良く、第15巻で馬車のコピーをその後にデュケリに売り、セリビーラ出発の折に多くなった荷物を運ぶため、一時的にそれを借りたことが語られる。]

 捜索隊準備の感謝として、サトゥーは迷宮方面軍司令官のエルタール名誉伯爵を接待する。シーメン子爵が、第7巻でサトゥーがオークションに流した魔剣アカツキを持っている。迷宮方面軍の「隊長(バフマン)」や「狐将校(キンクリ)」とも顔をつなぐ。ふたりの名前は第11巻まで出てこない。

 シーメン子爵を通じ仲良くなった貴族たちからソーケルの悪いうわさを聞いて、その屋敷に禁制の魔人薬がストックされているのに気付く。

 情報集めのため入った酒場で、足を失ったカジロを助けてアヤゥメが女給をしていることを知り、屋敷に迎える。店を出ると屍薬の影響で死を恐れなくなった暗殺者が襲ってきたので、たまたま近くにいたエルタール将軍らに救いを求める。もめ事を起こさせてサトゥーを捕縛するつもりだったソーケルが居丈高に登場したが、エルタールに無理を指摘され窮地に陥る。そこへポプテマが現れ、ソーケルを引き取って行く。

 ギルド長に青銅証を受け取りに行ったところ、ギルド長裁量で赤鉄証を発給される。シーメン子爵が捜索隊編成を求めるさい、過去の武勲を喧伝していたせいだった。

 赤鉄証を得て中層にショートカットする竪穴を使えるようになる。迷賊王ルダマンの一味による迷宮方面軍小隊へのMPKに気づいて救援する。

 ちょうどそのころ、太守アシネン侯爵の三男ゲリッツ、デュケリ准男爵の長女メリーアン、ミーティア王女が、ソーケルにそそのかされて迷宮探検に乗り出していた。ソーケルの付けた案内人に危険な区画へ誘い込まれ、ルダマンの一味によるMPKを食らう。魔人草をめぐってルダマンとソーケルは仲間であり、ルダマンが王女をさらう体にしてソーケルに救出させる出来レースだった。

 サトゥーが迎撃に加わり、ルダマン以下の迷賊が捕縛された後、ソーケルはすべてをサトゥーの陰謀と言いくるめ捕縛しようとするが、一部始終を迷宮方面軍小隊長が見ていたこともあり、その場では不問になる。

 翌日、太守夫妻から「昼食会」の急な呼び出しがある。レスリーの手紙が改ざんされ、サトゥーに謀殺される前の最後の通信のようになっていた。太守夫妻に問い詰められピンチのようだが、サトゥーはマップ上でレスリー本人のマーカーがこちらへ向かっていることを知っていたので、本人の登場でその偽造はあっさり露見する。ソーケルは拘束され、太守夫妻はレスリーの交易品とサトゥーの贈り物を見て相好を崩し、私立養護院の開設を許可する。

  • キャラ関係

 アリサが火魔法の並行取得を始める。

 シーメン子爵の紹介で、デュケリ准男爵とのセクハラトラブルで失職したミテルナをメイド長に雇う。

  • 食材・料理

 モッツァレラチーズ、カマンベールチーズに似たチーズが手に入ることがわかる。

 呪いの被害をこうむっていた近所の牧場から乳製品を届けてもらう契約をする。

  • 武器・機材・技術

 迷宮挑戦時点で、それぞれの防具は一見すると標準品に見えて、オリハルコンの帷子や大怪魚の皮で目立たない内側を補強してある。武器も前衛は魔剣や魔槍だった。

 区画の主を最初に倒したときの宝箱から、下級エリクサーと万能薬を得た。その戦闘直後に光晶珠を見つけた。

 魔剣製造の新たな方法として、完成した通常の剣に水魔法、空間魔法を施し回路を定着させるステッパー方式(?)を導入。

  • その他

 区画の主(エリアマスター)を狩り、その魔核を特定の大部屋に持って行けば階層の主(フロアマスター)に挑戦できる。探索者ランクの実力トップとされるミスリル証を得るには、階層の主を倒し報告しなければならない。サトゥーは、サトゥー以外の7人で階層の主が狩れるようになるまでレベリングと装備更新を続け、書籍版第13巻のラストでようやくそれを達成する。それまでにレベリングのリスクとなるエリアマスターを多数サトゥーが狩り、ときには稽古相手としてリザたちに倒させていた。

 迷宮都市で得た魔核はすべてギルドが買い取り、徴税と重要物資管理に万全を期す。サトゥーは強い魔物の魔核を「別荘」に保管し持ち出さないことで、「持ち帰ったのはこれだけだ」と「断罪の瞳」による申告漏れチェックをクリアした。

第11巻

  • できごと

 市内で不審な大火がある。燃えやすいオイルスライムを下層住宅地で飼おうとした末の出来事だが、火をつけられた経緯に不審があるとだんだんわかってくる。

 火元の奴隷商人宅から、特に重傷な5人を蔦の館に運び治療する。うちティファリーザとネルは犯罪者の烙印があって通常の回復ができない。烙印を焼いて消すことを防ぐため「通常の状態への回復」は妨げられないことに気づいたサトゥーは、ドロップ品の下級エリクサーなど強力な回復薬と、トラザユーヤの皮膚再生研究を組み合わせて、ふたりを健常体に戻すことに成功する。後日、5人の主は死んでいたことがわかるが、解放されるよりサトゥーの下で働きたいと願う。

 救助と復興支援により、下町の顔役・泥蠍のスコピと縁ができる。

 太守夫人のお茶会で上流階級の夫人たちや、先日のMPK騒ぎで助けた子弟たちと面識ができる。階層の主に挑むと言う探索者ジェリルに乞われて試作品の魔剣を貸す。

 回復した5人に聞き込むと、ポプテマが現場によく出入りし、当日も見かけられたことがわかる。

 サトゥーはポプテマが貧しい子供たちをしばしば虐待し、嫌われていることに気づく。太守夫人は「巨費を投じてストリート・チルドレンそのものをなくせば当面の虐待対象はなくなるのだ」と示唆し、サトゥーは養護院への収容を急ぐ。その過程で「サトゥーはポプテマの意を受けており、養護院の子供はいずれ虐待の生贄に」といううわさが撒かれていることがわかる。泥蠍のスコピに依頼して、うわさを広めている者たちを突き止めて逆買収をかける。

 女性たちをさらい、魔人草の原料となる破滅草・自滅茎を迷宮で栽培させているとルダマンが自供する。その場所を教えるから懲罰部隊送りで済ませろと取引を持ち掛けるが、ギルド長は峻拒する。人間の恐怖と絶望によって生育を助け、人工的に栽培可能だと言うこと自体が絶対に秘匿すべき新事実だった。もし助かっても口封じされると察したサトゥーは独力で壊滅・救出作戦を実行する。王都貴族ケルテン侯爵の孫エルテリーナなど貴族子弟や、女探索者スミナ、魔人薬生産スタッフを含め200人弱を救い出す。うち11人は栽培されていたもの、生産されていたものを知っていたので政府の口封じが懸念された。

 そのあとクロを演じてギルド長に面会し、自ら密造畑を焼き払わせ、生存者はいなかったかのように装う。実際にそこにあった魔方陣を見せて魔王復活計画の一端だったとギルド長に誤認させ、魔王信奉者の魔方陣がなければ栽培も広がりようがないと印象付ける。改めてルダマンを尋問すると、かつて呪怨瓶・邪念壺が栽培場所に置かれ、それらを魔族が持ち去ってから破滅草・自滅茎の生育が良くなったことが分かる。サトゥー(クロ)は、それらが以前の魔王復活に使われたものと察する。

 栽培地の迷賊たちを迷宮方面軍に引き渡し、下町はずれの長屋を借り、比較的情報を知らなかった娘たちを住まわせる。奴隷身分の娘たちも所有者が礼金を渋ったため、長屋暮らしということになる。

 新人探索者講習会に出席し、ミーティア王女の護衛ラヴナががルダマンらとの戦いで大剣を失っていたので、武器職人ヘバイストスの試供品という触れ込みで戦蟷螂素材の大剣を贈る。参加者たちを誘って大宴会のさなか、ポプテマがルダマンらを魔族化して市内に騒乱を起こす。すべてが打倒された後、魔族の支配から逃れたポプテマは死に際にしばし正気に戻り、サトゥーに詫びを言う。[第18巻で、じつはその後アシネン侯爵(夫人)が手段を尽くして延命させ、エリクサーで健康を回復させるため入手のチャンスを求めていることが語られる。]

  • キャラ関係

 館のメイドとして、館周りで仕事をもらっていた子供たちからロジーとアニーが加わる。

 仮面の下につける、勇者ナナシと従者クロの生体マスクを作成する。ナナシの顔は現世の同僚で幼馴染のヒカル(まだこの名は登場しない)に似せて作ったが、そのことがあとで思わぬ影響をもたらす。

  • 食材・料理

 コーンフレークを作る。

  • 武器・機材・技術

 試作した蟻翅の銀剣はスミナに乞われるまま与える。

  • その他

 ポプテマが貧しい子供たちをしばしば虐待していることがわかる。太守夫人に相談するが、貴族の平民虐待は罪に問いづらいのだと一蹴される。近代的な博愛を自ら持っているわけではない。家臣を手伝わせることを示唆したり、養護院大規模収容を断行した後に貴族たちの反発を心配したりするが、「サトゥーはそういう人なので、その意思は尊重する」と言う態度である。

 破滅草・自滅茎の関係者を解放する際、迷宮の奥に住む「青い人」のところにいたというカバーストーリーをでっち上げる。この時点では正体不明、登場は第14巻になる。

第12巻

  • できごと

 旧知の探索者コシンのパーティーが運搬人に紛れ込んだ悪人のMPKにかかったところを救助して、感謝の宴会となる。低グレードの酒食に閉口するサトゥーたち。庶民が悪い水を飲んでいるのに気付き、後日水路の清掃に乗り出す。

 宴会で回復魔法の神官は必要な寄付が高く、魔法薬も高価だという愚痴話になり、魔法薬の利権を握るデュケリ准男爵への怨嗟を聞く。

 別の日に訪問した貴族から、西方で戦争の兆しがあり、思惑から武器・魔法薬の相場高騰と品薄が起きつつある話を聞く。また、エルテリーナの祖父ケルテン侯爵が魔人薬密輸への関与を疑われていることを知る。太守夫人に確かめると、ここ迷宮都市での武具高騰は武器流出を嫌った統制価格の引き上げで、デュケリが意図的に仕組んでいた。

 各地の魔族討伐の過程で、ティファリーザとネルを奴隷に落としたレッセウ伯爵が戦死したと聞かされる。

 そこへ急報が入り、迷宮での武名に未練があるデュケリ准男爵の長女メリーアンが探索者にそそのかされ、迷宮に入ったと聞かされる。魔法薬価格を統制し嫌われているデュケリへの嫌がらせとして、魔物とひとりで戦わせるリンチを受けているところを救出し、話題の人デュケリと面会することになる。デュケリが魔法薬を作る錬金術師の生活を考えて価格を高止まりさせていることを聞き、トラザユーヤの記録に多肉植物ベリアを原料とする魔法薬のレシピがあったのを思い出す。

 長屋の娘たちを独立採算に乗せる件が難航している旨をティファリーザが報告してくる。クロとして、王都との交易を提案したティファリーザに調査を命じる。後のエチゴヤ商会である。

 トラザユーヤのベリア魔法薬を人間錬金術師でも使えるようにアレンジしたが、迷宮から救出した錬金術師たちにもすぐ作れる易しい薬ではなく、普及作戦は少し日延べになる。

 迷宮に入ったサトゥーたちは、もともと隠れ里で中継補給地にもなっている迷宮村を訪ねる。ときおり訪れる「青い人」の好物だと言う安ワイン「レッセウの血潮」を譲って喜ばれる。

 区画の主の眷属で経験を積み、区画の主とサトゥー抜きで戦ってみるとかなわず、サトゥーの介入が必要だった。区画の主と戦う前に再訓練と装備一新が必要だと考えたサトゥーは、エルフたちを再訪すると決する。

 レイとユーネイアを誘った一行は、エルフの里で様々な強化を果たす。

 10日間の滞在を終えて戻ってみるとまたMPK騒動だった。まだ区画の主と対決中のザリゴンを尻目に、運搬人としてもぐりこんだMPK常習犯のベッソが中層でMPKを起こし、遺棄された宝箱などを狙って失敗したのだった。

 MPKを収拾すると、優勢だったザリゴンたちが撤収してくる。もう少しで勝利というときコカトリスの乱入を受けたようで、ザリゴンは右手右足が石化した状態だった。サトゥーはザリゴンの数々の傲岸な発言と、ザリゴンがソーカルからミーティアを守るのに尽力したことを天秤にかけて、上級回復薬を与える。手足は回復したが消耗で昏倒してしまう。

 そこへ手負いの区画の主が現れ、激闘の末に倒すが、そこへ隣の区画からもう1体、無傷の「区画の主」が来襲し、サトゥーはそれを一撃で倒す。帰宅後、カジロの足も上級回復薬で元通りになった。

 クロはティファリーザに命じ、ベリア回復薬の現物とレシピの一部をギルドに持ち込む算段をつけ、サトゥーも自分でデュケリ准男爵に示す。現物やレシピの残りは迷宮のあちこちに隠してあり、レシピ作成者不詳のままいずれは安い材料の下級回復薬が出回ると言う段取りだった。

「麗しの翼」のふたりが相変わらず借金を背負っていたので肩代わりしてやる。そして養護院の探索者になりたい子供たちの指導者として雇う。

  • キャラ関係

 巻頭時点でサトゥー以外はLv38前後。リザの攻撃力が他の前衛を圧する傾向。「魔刃の効率が良い」とサトゥー評。

 再訓練前の状況では、ポチとタマの殲滅力不足から後衛が阻害魔法や味方強化より自分の火力を発揮する傾向にあり、敵をなめリスクを軽視する傾向が生まれていた。のちにエルフたちから「サトゥーが何とかしてくれると頼りすぎている」と指摘された。このときLv42前後。

 主な強化項目は次の通り。

  • リザ 竜爪槍(第7巻で手に入れた竜爪槍の穂先を使用)。再訓練で魔刃砲を習得。
  • ナナ 鎧に聖晶石炉を仕込み、強敵用の傘状シールドを使用できるように。浮遊盾。ロングブーツにスパイクとアンカー射出機。
  • ポチ 伸縮するアダマンタイト合金の長剣。伸縮する鎧。丸みのある形のとき衝撃により強くなる。瞬間ブースト機能付きブーツ。必殺技「魔刃突貫」。
  • タマ 伸縮するアダマンタイト合金の長剣。伸縮する鎧。瞬間ブースト機能付きブーツ。クナイなど忍術道具。必殺技「魔刃双牙」。
  • アリサ 浮遊盾つきドレスアーマー。「凶悪な空間魔法」を覚える。
  • ルル 浮遊盾つきドレスアーマー。改良型光線銃(大怪魚の水晶体で収束性能向上)。
  • ミーア 浮遊盾つきドレスアーマー。「魔獣王創造」を覚える。
  • 食材・料理

 森蟹蜂の巣から大量の蜜、密蝋を入手。一部は蜂蜜酒。

 第9巻で見つけたカカオの実から、エルフの里で様々なチョコレート菓子が作られている。

  • 武器・機材・技術

 森蟹蜂の巣から風晶珠を入手。

 貴族たちに魔物の翅を使った魔力扇風機を贈り好評。この夏の暑さは、気候制御の魔力を惜しんで魔族探索を優先しているせいだと太守夫人が明かす。

 魔物由来の武具は原則的に補修できないが、西方諸国にその技術があるらしいと太守夫人が明かす。

 メリーアン救出の礼に、デュケリから「石製構造物」と「地従者作成」の巻物を得る。前者は以後の急速造成に活躍することになる。後者により、第12巻巻末近くで防犯用ゴーレムが登場し、屋敷や養護院の防衛システムが強化される。

 魔法回路の生成・転写を機械だけで行う装置(主に、ミーアとアリサを使わず行う試作用)を開発。

 黒竜山脈のカルデラ湖で氷石と氷晶石を大量採取。

 戦う相手の体力を吸収する装備品を作るには血玉・血珠が必要と言及。血玉・血珠はWeb版では真祖バンから入手するシーン、「生命力譲渡」「生命力譲渡・改」の魔法行使シーンなどに登場する。

 手足程度の部位欠損は上級魔法薬で直ると知る。竜の谷で得た竜力石を使うことで相当数の上級魔法薬・下級エリクサーを生産する目処が立つ。

 エチゴヤ商会の新商材用に、骨にルーンを安価に焼き付ける焼き印と、骨や木にルーンを刻む専用ノミが登場。第16巻の園遊会シーンで、量産品のルーン光珠に似たサトゥーのカフスが、家紋を刻み上質の材料を使った「オーダーメイド」であることをエマ・リットン伯爵夫人に気づかれるシーンがある。

  • その他

 デュケリから、息子のゴブリン病のために鬼喰薬の材料を集めることを依頼され、それは実は生活習慣病なので野菜を食べさせることを逆提案し、調理器具の調達を引き開けた。後日、魔力で動くジューサーとミキサーを納品する。

第13巻

  • できごと

 第12巻の出来事から1か月後。Lv47前後になったチームの実力は大きく上がっていた。西の砂漠地帯で新式装備の試験をしていると、古代都市の都市核だけが残されているのを見つける。滅びたフルー帝国のもので、あと243ヶ所あると都市核は言う。サトゥーは王としてそれらを支配下に置き、膨大な遺産を掌握する。都市核として生きていたのは12ヶ所だけだったが、おかげで「西に王が現れる」という神託が出て、迷宮都市(のサトゥー以外)は大騒ぎになる。

 迷宮都市で探索者志望者講習会が開かれる。サトゥーがスポンサーとなって開いたものだったが、ギルド長は次回からギルドと政府でやると言ってくれる。代えて、探索者学校をやってくれないかと。エルザは受けることを勧める。

 クロは王都へ潜入し、先行したエルテリーナと合流する。ケルテン侯爵はすでに辞職していた。その失脚で利益を得そうな門閥貴族の屋敷に遠見・遠耳スキルを働かせているうち、ナグア子爵と軍需品のゴドゾ商会が、ライバルのノルン商会を蹴落とすために仕組んだことだとわかってくる。

 姿をナナシに変え、国王に会う。国王は宰相と共に、第11巻で作った生体マスクの「勇者ナナシの顔」を見せられ、ナナシを国祖ヤマトその人と勘違いし、いくら否定しても聞かない。[それには理由があるのだが、書籍版では第18巻で明かされる。]

 ケルテン侯爵の名誉回復と責任者の処罰について約束を取り付け、エチゴヤ商会の商権について、国王と宰相から条件付きで認められる。

「西の王」に関する不穏な予言を受けて、迷宮都市にシガ八剣のヘルミーナが調査に現れたが、その到着時を魔族と信奉者が襲う。本人とチーム・ペンドラゴンが中心になって撃退する。何度目かのシガ八剣推挙の話が出るが断り、変わり者扱いされる。ヘルミーナは自分の連絡が途絶した後をサトゥーに託すが、自分が都市核と契約して回ったせいだと知っているサトゥーとしては黙って聞くしかない。

 探索者学校の特待生を選抜する準備は、教員予定者である「麗しの翼」のパワーレベリングから始まった。全体として指導のノウハウを蓄えるためのもので、3つの種目で合計18人を選抜し、全体で25日、目標Lv7のコース構成だった。

 選抜を済ませたチーム・ペンドラゴンは迷宮中層に戻ったが、魔物の瘴気を迷宮が吸う速度が異常なことに気づく。砂漠地帯まで地下を続いていく迷宮の西に向けて新しい狩場を探すと、温泉が見つかる。

 温泉回を終えたサトゥーたちは、ジェリルらの階層の主討伐を見物に行く。不測の事態で半壊したジェリルらのパーティに、クロの姿で立て直しを支援する。数日後、相当の犠牲を出しつつ討伐成功が報じられる。

 サトゥーたちは7人でサトゥーを交えず階層の主を狩る算段であり、隔絶した力を隠すため、エルフの里から周囲を取り巻くためだけの無人戦力と、晴れ舞台を観戦する師匠たちが呼び集められ、迷宮温泉は宴会場と化す。

 そして討伐の日。召還陣に便乗して現れたのは、狗頭の魔王だった。

 魔王は、自分の望みはすべての神殿を壊すことだと言い、それに無関係なサトゥーたちを攻撃はしないと言う。そしてどういうわけか、サトゥーを自分の上位者(魔神かと思われるが明確な言及はない)の化身した姿だと見なす。

 セーラや巫女長と交流のあるサトゥーはそれを許せず、チームを巻き込まないために[召還場所自体が迷宮西部であり砂漠にほど近い]西部砂漠に魔王を誘う。調査中のヘルミーナたちがいたので、都市核の力で遠方に追い払う。

 魔王の圧倒的な力に、サトゥーは少しでも多く情報を引き出すことを当面の目標と定め、会話を引き延ばす。だがそこに公都の絵の中にいた幼女が乱入する。魔王は神が人間に対して無慈悲であり、自分たちの神威を高める道具としてしか見ていないと非を鳴らすが、幼女は「自分はそうではないが、そういう神もいた」と肯定する。むしろ「魔神が魔王と魔族を作り出し、人間に災いを与えるようになってから、神は祈りだけを受けていればよくなった」と。[それは冷静な魔王に「お前も魔神の道具だ」と言っているに等しい。]そして幼女は姿を消す。名乗らないが称号「女神の寵児」が追加される。

 魔王はサトゥーが神側の勇者だと知って怒ったが、布教の強力な道具たる印刷技術がこの世界で抑制されているのは神の仕業ではない……と[いう幼女の言葉から、真に倒すべきは魔神……という可能性に]思い至った。魔王に突然首枷が生じ、魔王は戦う獣となった。少しずつ広がっていく「神喰魔狼」の空間に対し、サトゥーは流星雨を降らせて飽和させ、勝利を収める。

 今まで見え隠れしていたクロウという少年が、つかのま姿を見せてサトゥーに礼を言う。それは魔王が魔王となる前の姿であったかもしれない。

 そして魔王に続いて召還された階層の主は消えずに待っている。最後は膨大なダメージを短時間で与える必要がある。アリサがユニークスキルを使う覚悟を決めていると知ってか知らずか、サトゥーがそれを不要にする土壇場の武器強化を施していたのは、アリサとサトゥーの秘められた戦いと言えるかもしれない。

  • キャラ関係

 第12巻の強化装備のうち試作品が本式装備に交換される。前衛の鎧と、後衛ドレスアーマーの金属部分、一部の武器はオリハルコンの含有率が上がり黄金色を帯びる(p.6、p.231)。これらは「人前では着ない本気装備」として登場するが、おそらくWeb版同様、「正体不明の黄金騎士団」の装備として整備されていくことになる。Web版では「認識阻害魔法で顔を隠した黄金騎士団が広域的な魔物のスタンピードに対処」→「シガ国王から別件で活躍したサトゥーに報償として個人騎士団設立許可」→「リザたちへの引き抜きをいちいち断るのも面倒なので騎士団設立」と展開する。だからサトゥーが設立した騎士団と黄金騎士団はイコールではない。

 ナナの浮遊盾は空間魔法系のものに更新され、動かせなくなる代わりに筋力によらず打撃を受け止められるフォートレス機能が付いた。

 ナナが(サトゥーが改変・移植した)自在剣の理術を教わる。敵と半自律式で戦ってくれる透明な剣。

 第12巻でナナが使っていたアンブレラはルルの装備となり、他の後衛にも装備予定となる。

 ミーアに土魔法の属性杖が用意され、流砂の巨人を呼び出すときに使われるようになった。

 書籍版第7巻でヘイロンにもらった黒竜のトゲを使って、ルルに魔力砲が用意された。魔法で固定用次元杭と仮装砲身を生じさせ、レールガンのように高速の弾体を打ち出す。

 ポチ、次いでタマは第13巻途中でリザの魔刃砲を真似ることに成功した。

 ナナが障壁突破技「魔刃砕壁」、必殺技「魔創竜退撃」を覚えた。

  • 食材・料理
  • 武器・機材・技術

 エチゴヤ商会について、飛空艇は王室に優先購入権があり、シガ王国貴族のみに販売することとした。ただし「すでに売却した数隻の小型飛空艇」についてはおとがめなしとし、サトゥー自身が飛空艇を使う道を残した。また最初の大型飛空艇は王室へ献上するものとした。

 同様に、魔剣・魔槍についても数本のエチゴヤ裁量分はおとがめなしとし、王国が優先的に買うこととした。その他の民生用魔法薬についても、取り扱いを認められた。

 商会自身に自衛力がないことから、武器の納品はナナシかクロが当たることとなった。最初の納品は第13巻後半で行われた。

  • その他

 西の砂漠地帯ができたのは、フルー帝国が魔王と戦ううち、制御不能な竜焔玉を投じて自ら帝国を不毛の地にしてしまったせいだとわかった。

 迷宮中層で「バン・ヘルシング」の銘が入った日本刀が見つかった。

 アリサが「神の欠片」を持っていること、それが最終的にアリサを魔王に変えかねないこと、しかし選択の積み重ねでそうなることが、断片の継ぎ合わせによってわかってくる。

 魔王は、魔神と勘違いしたサトゥーに「あなたは幼い娘以外にどう思われようと意に介さない方」だと評する。

第14巻

  • できごと

 第13巻で階層の主を倒したので、祝勝行事が続いていた。

 ゼナたちがようやくセリビーラに到着したが、相次いでムーノ男爵家のカリナもやってきた。新年の王都会議までそれほど日が残っていないが、どちらも迷宮に潜りたいと言う。第14巻前半はこのトライアングラーで宇宙は大ヘンなラブコメ模様に費やされる。

 アシネン侯爵家の三男ゲリッツと王都の学校でライバルだった貴族の少年ボーマンが、護衛を連れ優良装備で迷宮にやってきて、レベル15にどちらが先に達するか勝負を持ち掛ける。このため、ゲリッツは探索者学校の貴族向け講座開設をサトゥーに急かすことになる。

 ボーマンのパーティはボーマンを残してあっさり全滅し、サトゥーの私費で遺体回収隊を出す羽目になった。

 ゼナのパーティもボーマン同様、今まで横沸きした例が知られていない剣斧蟷螂と戦って半壊した。ゼナが行方不明と聞いたサトゥーは、マップ上の表示を頼りに迷宮下層に進み、真祖バン・ヘルシングを中心とする吸血鬼の集団から(クロの姿で)ゼナをさらって逃げた。

 その後改めて挨拶に行ったところ、バン・ヘルシングはサトゥーの手並みを称え、ゼナへの害意はなかったが退屈しのぎの人助けであったと言った。バン・ヘルシングもまた、関西なまりの残る転生者であった。

 成り行きで眷属の吸血姫たち、やはり転生者であるもと小国の王子ムクロ(テツオ)とフルー帝国の元技師ヨロイ(タケル)と知り合う。神のかけらを宿したゴブリンの娘、ユイカに会おうとしたところ、サトゥーが勇者の称号を持つことに気づいたユイカがパニックを起こし、迷宮の主が応援によこした「太古の根魂」とも戦闘になる。それを終えて、バン・ヘルシングも交えた一行は待望のピザ(トマトが手に入らなかった)を賞味する。

  • キャラ関係

 ポチが肉抜き3日の罰を受け、曲折の末に耐え抜いた。肉抜き明けの肉フルコース大宴会を含め、本人も周囲も負担が大きいので、この罰を与えるのは止めようとサトゥーは考える。

 ゼナ救出時、ミスリル表面加工の小剣と山樹の長杖をクロの手から渡す。迷宮に入るとき、サトゥーが魔法の鞄に魔法薬を詰めて贈ったが、救出後にどうなったかは定かでない。まあバン・ヘルシングがサトゥーに渡したかもしれないが。

 アリサの能力暴走を抑制し、危険な状態も検知する「魂殻花環」をムクロから譲られる。さっそくアリサに装着させる。

 一行の防御を強化するラカ・クローンの開発が進む。

 探索者学校一期生にウササ、ラビビなど迷宮内の運び人として面識のあった獣人たちがいる。

  • 食材・料理

 サトゥーが見つけていたトマトを使ってピザを作り、迷宮奥の転生者たちに好評を博す。

  • 武器・機材・技術

 ストーンゴーレムの材料をアダマンタイトに代えた、戦闘力の高いアダマンタイト・ゴーレムが登場。

 晩さん会のためにカリナとゼナに家紋をかたどったブローチを贈った。くず石を使った再結晶宝石だったが、この地の魔法ではきわめて高度な技術が要るものだったと、作ってからサトゥーは知った。

 探索者学校の一期生が卒業し、ペンドラゴン家の紋章をコミカルに改変したエンブレム入りマントを贈られた。このエンブレムは「ぺんどら」と呼ばれるようになり、卒業生の通称ともなった。

 鼬人族の商人が「桜吹雪」「草刈り」「草紡ぎ」「草縛」の巻物を売り込んできた。あと2本の商談を後日王都で行うことになった。

 ムクロが王国を失った原因は、鉄道と電信を開発したことであった。それらも神々の禁忌に触れることをサトゥーは知った。魔法材料と引き換えに、テスターなどの科学器具や内燃機関などの設計図をもらった。

 太古の根魂を倒した「聖弾」は、第5巻で黄金の猪王を葬るのに使った、聖剣用の青液に魔力を込めて叩きつけたもの。第5巻では瓶を使っているが、第7巻で鋳造弾丸に青液を詰め、聖矢の矢じりにも転用できるものを量産している。ハヤトに一部を渡すシーンで「聖弾」という名称が初めて出てくる。Web版では王都到着後の12-24で登場する。

 第12巻でレシピをこっそり公開したベリヤ製魔法薬は、まだ熟練した錬金術師しかつくれないもので、回復薬の慢性的不足は続いていると語られる。

 迷宮下層の邪竜の住み家で、火石、火晶珠、邪竜一族の体から落ちたウロコなどを回収した。

 ムクロから計測機器や設計図をもらった。

  • その他

 ユニークスキルが、神が与えた「権能」なのだと表現された。

 バンたちの住む迷宮下層には神々も覗けないユイカの結界が張られていると知る。それを通り抜けた自分の能力に何か秘密があるとサトゥーは考える。

 ここまでのサトゥーなら王国会議への出席権はなく、王都に行く必要もなかったが、階層の主討伐者として叙勲されることになったため、行かねばならなくなった。また、その事情を知らないムーノ男爵とニナからの指示で、王国会議までカリナを連れていく必要も生じた(p.93)。第18巻では1月1日の大謁見の儀で子爵とされたため、2日~4日の王国会議に早速出席させられている。

第15巻

  • できごと

 強くなりたいと言うゼナの願いに答え、探索者学校の施設を使ってサトゥー一行がゼナを特訓することになった。ドゾンのもとでの出げいこ、迷宮での実習と訓練課程は進み、蟷螂系の強い魔物も倒せるようになった。

 ゼナの礼状を真祖バンに届け、日本刀の鍛刀を見学する。マグロ宴会になる。

 ビスタール公爵の飛空艇に便乗するが、その直前にゼナとの仲をカリナに難詰され、「結婚をかけて」勝負を挑まれる。辛勝する。[第16巻でニナと再会した時の会話によると、ニナが猛プッシュをけしかけたようである。]

 公爵には冷たく対応されるが、その末娘ソミエーナは獣人に偏見がなく、サトゥー一行とすぐ仲良くなる。だがビスタール家の内紛に書いたような襲撃事件が起き、墜落の危機に陥るが、最後は物理的に支えてハードランディングを食い止める。

  • キャラ関係

 ムクロの嫁がダンジョンマスターであり、癖のある性格であること、上層・中層・下層の主をすべて倒すとダンジョンマスターに挑戦できるルールのため、ムクロやバンが下層の主を狩ることでそれが起きないよう保障していることが語られる。

  • 食材・料理

 鮪の刺身や寿司がバンと転生者たちに大受けするが、吸血姫たちは生魚のにおいにどん引きする。高野豆腐はバンの城にあり、かんぴょう(夕顔)が巨樹の里に自生していることをバンから聞かされる(が加工法はまだわからない。干すだけだし、言及がないので加工法の探索は略されるのかも)。

  • 武器・機材・技術

 術理魔法「盾」を無詠唱で発動させる籠手を開発。周囲の魔素を取り入れ使用者の消費魔力を減らした仲間用から、能力の低いエチゴヤ商会の汎用品までラインナップする計画が語られる。リザのものは予備の槍を作り出し、アリサやゼナ一行には物理防御付与を発動させる別ユニットつきのものが渡された。

 訓練中に強敵がわいたため、ジェリルから返却された炎の魔剣をイオナが借りる。

 敵方の技術として「魔人心臓」と「魔笛」が登場。

  • その他

 ラストでシガ八剣第1位、ゼフ・ジュレバーグがサトゥーに勝負を申し込む。

 反乱側の古老鴉に乗った砲撃観測手が、触手をひとつ回収して逃げた。何らかの形で(触手のほうが)再登場するかも。

第16巻

  • できごと

 ゼフ・ジュレバーグの挑戦は、犯人捕縛をせっつくビスタール公爵によってうやむやとなる。そのさいの会話から「小聖杯」がビスタール公爵にとって孫娘にも勝る関心事であるとわかる。あらためてマップ検索をかけたサトゥーは、ホムンクルスたち一行が王都近くで、使役獣を隊商に突っ込ませる事故を起こしていることに気づく。

 急行して隊商の後始末に当たるサトゥーだったが、それがちょうどソミエーナらをさらった反乱者たちの進路をふさぐ形になっていて、第一夫人とソミエーナの奪還に手を貸す。

 ホムンクルスたちも加わってムーノ男爵邸に入る。ホムンクルスたちに数字にちなんだ名前を付ける。別表の通り。

 サトゥーの爵位を上げる折衝の話をニナから聞かされているところに、ロイド候とホーエン伯がシーメン子爵を伴い、料理目当てに酒持参で訪問してくる。

 夜半にナナシとして王宮を訪ね、飛行艇の強化改修の話にかこつけて、ビスタール家の内情や、発見された魔人心臓や「ネジ」のことを聞き取る。同席していたジュレバーグから、ゴウエンがビスタール公爵家臣の家柄であることを聞く。

 翌日から、すでに調達してあったペンドラゴン邸に移る。買い出しの後、公園の少女が奏でるパーカッションをきっかけに、ラクストン楽団の「楽聖」ケストラーとミーアがセッションする。その場では何者ともわからない。

 博物館でマークレ子爵家の五男坊(名前未登場)が強引に宝石を手に取ろうとするのを見とがめ、職員の助けで阻止する。野牛の彫像「ステ・ファーニの飛躍」をタマが気に入り、そこにいた作者(名前未登場)が工房へ見に来いと名刺をくれる。古代の火杖が三又になっていたことから、三点バーストの話になり、不正確な知識をアリサが広める。

 帰り道、再びソミエーナたちの一行が「自由の光」の魔族化メンバーに襲われている現場に出くわす。パリオン神国とサガ帝国の密偵もそこにいる[攻撃に加わったという記述はない]。通りかかったらしいゴウエンと共闘して撃退する。

 帰ると「聖騎士団」本拠地への招待状が届いている。全員で繰り込む。様々な取り組みが始まり、リザはジュレバーグに勝つ。シガ八剣に誘われるが断る過程で、アリサが「ペンドラゴン七勇士」の呼称を使ってしまい広まる。ゴウエンはナナに完封されて降参し、サトゥーと引き分ける。ポチとタマはヘイムの指導を受ける。途中で呼び出され戻ってきたゴウエンの様子がおかしいので、サトゥーは誰かに相談しろと勧める。

 エチゴヤ商会では第15巻の盾腕輪を始め、様々な新事業や出資計画にゴーサインが出る。

 ナナの成長に刺激された他のホムンクルスたちをボルエナンに預ける。様々な装備強化を検討する。

 翌日はカリナを伴ったリットン伯爵の園遊会で、スァーベ商会のホミムードーリが接触してくる。モーシル・ボナム卿がカリナに悪質なハラスメントを仕掛けてサトゥーに逆ねじを食わされ退場する。リットン伯爵夫人やラッホル子爵夫人のご機嫌を取り結ぶ。

 数日後、ビスタール公爵から呼び出しがある。褒美としてサトゥー謹製の量産魔剣を差し出し、代わりにトーリエル討伐に加われという。サトゥーは断り、退出の途中でソミエーナに話しかけられ、夜会に招待されていたジュレバーグやヘルミーナとすれ違う。

 そこへ敵襲の報が届く。妻子を人質に取られ、魔人心臓を埋め込まれたゴウエンが襲撃隊の中心だった。すきを見てナナシに着替えたサトゥーは、魔人心臓を引き抜いて下級エリクサーで部位欠損を直すという荒業で、ゴウエンの心臓を復活させる。王祖であるかもしれないナナシとしてビスタール公爵に精いっぱいの圧力をかけ、ゴウエンの助命を勝ち取る。

 そして、サトゥーの王都到着を感じ取るミト。次巻、王都動乱編。

  • キャラ関係

ホムンクルスリストは次の通り。

  • No.1 アディーン(один、ロシア語) 大楯とレイピア 哲学に興味
  • No.2 イスナーニ(اثنان、アラビア語) ウォーハンマー
  • No.3 トリア(tria、おそらくアイルランド語) 刃槍(インドの騎兵斧ブージ) 弓や罠による食材狩り習得を誘われる 料理好き
  • No.4 フィーア(vier、ドイツ語) 大剣
  • No.5 フュンフ(funf、ドイツ語) ポールアックス
  • No.6 シス(six、フランス語) 短槍
  • No.7 (ナナ)
  • No.8 ユィット (huit、フランス語) 曲刀 足長蜘蛛蟹(クモ助)を使役

 ジュレバーグを倒したリザに「魔滅光槍」の二つ名がつく。

  • 食材・料理

 王都の季節食材、桜鮭の良い仕入先をロイドやホーエンから教わる。桜鮭のイクラ、鱒、シナモンなどを手に入れる。

 砂糖航路がペンドラゴンの力で安全になり、砂糖が値下がりして菓子が安くなったことを知る。

 かんぴょうの巻きずしを再現。サトゥーとアリサ以外には微妙がられる。

 レベリングと開拓支援を兼ねて、ムーノ領の非支配都市から魔物を掃討。蛇竜類が多く、古皮蛇竜の目玉をリザたちが珍味として喜ぶ。

  • 武器・機材・技術

 博物館でジュエル師が残した宝石作品の隔絶した透明度を嘆賞する。

 盾役のために聖樹石炉を亜空間に複数置き、大質量を受け止めるために使い捨てたり、連鎖起動することで移動中も使えるようにしたりすることをハイエルフたちと相談する。集積化にも限界があるので複数装備を使い分けるアイデアも出される。

「黄金装備をマイナーダウンした」白銀装備、紅革装備を試作。

 なおWeb版で「黄金騎士団」が登場した際(15-31~15-35)、「ペンドラゴン七勇士」のみが黄金装備であり、ゼナとカリナは白銀装備を身に着けている。17-1によるとヒカルは黄金鎧、システィーナとセーラには白銀鎧が用意されている。

  • その他

第17巻

  • できごと

 年末の王都ではサトゥー一行が階層の主討伐の件で叙勲を受けていた。式典の後夕刻の舞踏会を待っていると、ミーアが王桜を見て「呼んでいる」という。桜守りの魔法使いと出合い頭に争論になりかけるが、それを気絶させて桜ドライアドが現れる。魔力の流れが乱れ、王都の源泉から魔力が吸えないと訴えるので、緩急をつけて魔力を流し込み、外界や源泉との流れを回復させる。[このとき、魔王信奉者のアジトを知らずに破壊している]

 10日もしないうちに咲くと桜ドライアドは言い残す。桜守りの魔法使いを起こすと、シガ三十三杖のひとり、アテナ・ラッホルと名乗る。迎賓館まで送られる途中で、アテナに用があったシスティーナ王女と遭遇する。

 迎賓館に戻ると舞踏会が始まろうとしている。ベルトン子爵とともにセーリュー伯爵がいて初対面となる。引き抜きを持ちかけられるがニナもいて阻止される。

 ロイド、ホーエンに加えて王国宰相もやってきて、年明けに行われる美食の宴への招待状を残していく。そこで、「王都に危機」の信託が多くの神殿に降りているとのうわさを聞く。パリオン神国のホーズナス枢機卿とも出会う。「鑑定」スキルではレベルが低めで、大半のスキルも見えないように「盗神の装具(贋作)」で隠蔽されていた。

 マークレ家嫡男フリンジが鼠人族探索者を差別的に面罵し、仲裁したホーズナスまで侮辱したので、軍務副大臣ポッパン伯爵が鉄拳制裁する。

 メネア王女も来ていて、踊る順番でひと騒動起きる。

 エチゴヤ紹介で商談後、ネルの勧める屋台の多い名所、噴水広場に行くと、システィーナ王女の馬車もいる。そこへ下水をたどって赤縄模様の魔法陣をまとう魔物が襲ってくる。見届け役らしいインプを見つけて泳がせていると、枢機卿がやってきて殺してしまう。

 赤縄の魔物たちのまとう魔法陣は、魔人薬を過剰摂取した迷賊のまとったものに似ていた。そうした捜査に同行しながら、王女はミーアの魔法「水剣山」の作者を尋ねるなどしていたが、ついにポチが「花火」の作者をサトゥーだと漏らしてしまう。冗長性を恐れず呪文を構造化する利点を涼やかに説明され、軍用魔法「ルタ式火球」がときどき事故を起こすデバッグを目の前で短時間に行われて、サトゥーはシスティーナ憧れの人になる。

 夜になり国王を訪ねると、赤縄の魔物は5か所に地下から同時出現していた。魔人薬に関する本を探しに禁書庫に降りると、システィーナがおり、ナナシ姿のサトゥーにそっけなく応対する。できれば一生結婚などせず書物に囲まれていたいと漏らす。システィーナは聖桜樹(王桜)が咲かない原因を調べている。

 ケストラーの演奏会に行き、ミーアの演奏も好評を得る。その帰途、「地下道に怪しげな道具」を運び込んだ容疑者捕縛に協力する。依頼主はマークレ家の者だと自白する。

「幼生体と戯れたい」とナナがいうので、パリオン神殿の養護院に寄付をして見学を頼む。ホーズナス枢機卿がいるが入れ替わるように出ていく。

 王都南の「魔物の領域」のただなかに、戦闘訓練ができる秘密基地を建設する。王都との行き来ができる転移門を設置する。

 システィーナから呼び出しがあり、調査に同行させられる。王立研究所で、地下で見つかった魔法信号による発火装置(遅延魔法を併用)の残骸を検分する。

 魔人薬の処分手順を確認しているうち、横流しの犯人を看破し捕える。多くの魔人薬は下水に流れたという。浄水場を検分に向かうと周囲は貧民街で、そこにまたホーズナスがいる。そして浄水場で、魔法点火具の製造容疑者が殺されているのが見つかる。

 付近の乞食に尋ねると、廃棄奴隷を買いあさるものがおり、奴隷のひとりが惨殺されて見つかっているという。廃棄奴隷が「連れていかれた先」を知っているという子供に銀貨をやり、やはり地下水道の扉を示される。中にはリ・フウに率いられたオークの一団がおり、ダイコンやおでんで懐柔して、近況を聞き出す。奴隷などを拷問して殺す、獣人や軍人崩れの一団がここ数日現れるという。 

 よく犠牲者が殺される場所に案内されると、桃色の中級魔族が新たな生贄と勘違いして出てくる。「召喚主」とサトゥーらを呼び、「転魔丸」をいつも作ってやっていることを口にする。リ・フウとともに倒す。

 出てくると、その間に見つかった遺体がある。スァーベ商会で会ったホミムードーリの部下だった。システィーナ王女は事件の黒幕をスァーベ商会と断じて突入する。

 証言の真偽を当てる審議官スキルを持つアテナが尋問したが、逆にシロが確定してしまった。帰ろうとすると桜がつぼみをつけていた。サトゥーが魔族を退治したせいだとシスティーナは誤解するが、真相は話したくないのでそう思わせておく。王桜もつぼみが出ているかもと示唆するとシスティーナは離れてくれる。

 転魔丸はスァーベ商会にあることをマップ検索で突き止めていたのだが、現地にはなかった。審議官の問いに、譲ってもいないという。システィーナが帰ってから真相が知れた。生き物に食わせ、それを隠していたのである。起動に使いそうな魔法回路を検索すると、マークレ家御用達の商人が大量に持っており、また楽器の形をしたものを蛇使いなどの大道芸人が持っていた。

 それらを摘発された魔王信奉者は、できる限りの手段で行動に出ることとした。サトゥーのマップ検索によるアジト摘発を「鑑定士部隊」といったものの仕業と考えた「自由の光」は、実行部隊員を破門して送り込んできていた。

 そして魔禍払い当日。サトゥーはムーノの護衛という名目で現地にいた。パリオン神殿の神官が体調不良ということで、ホーズナスが代役に立っていた。

 儀式が始まったころ、王都の地下からあちこちに赤縄の魔物が出現した。インプの憑依したゴーレムも市内随所で暴れた。生き物を赤縄魔物に変える信号を送るはずが、サトゥーにつぶされたので、転魔丸を奴隷に撒かせ使い捨てることで騒乱を起こしたものだった。市外からもインプの憑依した強力な魔物が呼びこまれる手はずだった。

 仲間たちはそれぞれの場所で戦いを始めた。サトゥーも誘導矢で支援する。その中にミトと天ちゃんもいた。

 儀式の続く会場目がけ、ワイバーンよりも巨大な蛇王飛竜、続いて空泳魔虎とマンティコアがやってきた。そのどさくさに、ホーズナスは集まった瘴気を使って、魔神の欠片を宿す自分自身を道しるべに、月にいるという魔神を呼び出す。そのユニークスキルは「神喚」。

 そしてナナシに攻撃を仕掛けてきたミトに、ヤマト・シガの名があることをサトゥーは読み取る。そしてヒカルでもあることを知った。書籍版しか読んでない人は待て次巻。

 魔族の軍勢も黄金騎士団には勝てず、ホーズナスは我が身を捧げて魔神の落とし子、3本の黒い筋を呼び出す。神剣に大きな魔力を注ぎ巨大化させて応酬する。なんとか倒したと思ったら、戦いに加わった天竜が侵食された。それを引きはがす戦いを経て、サトゥーはレベル312になった。

 だがサトゥーの左手が今度は浸食され漆黒になった。まだ肉である部分を切り飛ばし、上級魔法薬の樽に肩をつけて、左手を再生させた。全てを終えたサトゥーはミーアとともに桜宝珠を働かせ、王桜を満開にして人心を和らげた。

  • キャラ関係

 アテナは「生まれで力を持つ」エルフに対抗心を燃やしていることが知れる。

 ジェリルが仕官を目指すため探索者パーティが解散となり、斥候職のマーモットがムーノ伯爵領に仕官する見込みとなる。

 タマは彫刻でも「食欲をそそる」才能を発揮し彫刻家に気に入られる。

 スァーベ商会で巻物の商談中、「自由の風」に属する貴族子弟を見かける。取扱品には呪石のような軽い呪詛用品もあることを知る。ゴーレム試乗中に鼬人族語のスキルを取得し、ホミムードーリが皇弟のために働いていること、何らかの襲撃を命じられていることを知る。

 レッセウ伯爵領で失業したテンマーヤを王都屋敷のメイド長兼家庭教師として雇う。

 ネルが犯罪奴隷を赦免される。ティファリーザはクロとの絆として赦免を断る。

 天ちゃんが本体に戻った後、残ったホムンクルスはミトからホムホム(仮)と名付けられる。

  • 食材・料理
  • 武器・機材・技術

 桜ドライアドから、サトゥーとミーアがひとつずつ桜宝珠をもらう。

 蜘蛛の糸製のストッキングがアリサから披露される。古代の遺物に偽装したサトゥー謹製の工作機械とともにエチゴヤ商会に託される。すでに女性用下着全般の量産準備は進んでいる。

 スァーベ商会で買った巻物は「農地耕作」「家作成」「蝙蝠召喚」「回転歯車」「骨加工」。買わなかったのは「不死従者召喚」「悪霊召喚」。「骨加工」は骨・角・爪・鱗を加工するスキルで、アクセサリーのほか竜槍などの武器、魔力を通しやすい疑似魔剣も作成できる。

 禁書庫で禁呪「煉獄の白焔」「海竜白閃」「空破侵奪」を得る。

 ポケベル風の通信装置を、仲間用と商会幹部用に作る。

 桃色中級魔族はふだん「魔巣籠もり」という種族能力で探知できない空間に隠れている。

  • その他

 スキル「居合い」は、Web版では1-9で取得していたが、書籍版で戦闘自体が整理されて存在しなくなったので、今回初取得となったもの。

 ミトは、魔神召喚を「この前は間に合わなかったけど」今回は阻止するという。前回は竜神が倒してくれたと。

第18巻

  • できごと

 王都で新年を迎えたサトゥーは、「ユニット配置」のテストで竜の谷へ飛ぼうとすると、膨大な魔力が流れ込んで気を失う。気づくと王都郊外の秘密基地に戻っていた。

 ムーノ男爵邸を経由して「大謁見の儀」に参列すると、国王が奏上の男爵位に加増して、サトゥーを子爵とする。リザを筆頭に、仲間たちも下相談より少し高めに授爵される。続いて行われる成人式の儀でルルがバリーと言う貴族少年から侮辱され、セリビーラ太守家のゲリッツに救われる。そのあとゴウエン一家を見舞い、娘のシェリン、メリラと面識ができる。

 翌日、システィーナの招きで王城に向かう途中、グリフォンに乗ったヒカルを見つけ、捕まえる。幼馴染で同僚でもあった高坏光子、通称ヒカルであり、コールドスリープしていた王祖ヤマトでもあった。

 しかし会社の様子を語るヒカルの言葉にいくつか齟齬があり、サトゥーはヒカルが並行世界のヒカルであることを察する。自分のあこがれの人に会えなかったと知ったヒカルは泣き出す。「会いたければこの世界に残れ」と天之水花比売が言ったのだとヒカルは言う。ならば会えるだろうとサトゥーは答える。そのままヒカルは仲間たちに紹介される。

 そして王宮に行き、王と宰相に会って長年の誤解を解き、王祖に会えたと感激される。ヒカルが退位後に住んでいたミツクニ公爵邸と爵位を返される。

 エチゴヤ商会で復興資材調達や難民授産事業の相談をする。一般公募のアイデアで、採算が取れないながらユニークなものがあったと聞き、アオイ少年やジャハド博士を雇い入れる。

 なんでも願いをかなえる祈願の指輪がパリオン神殿から手放され、(おそらくホーズナス枢機卿の関与に対する賠償として)復興資金の一助にされると聞き、アリサやルルの奴隷「強制」を解くために落札を決意する。そしてエチゴヤ商会の総力を挙げて高額品を出品し、ライバル応札者の資力をそぐ作戦に出る。

 それを狙い、怪盗ピピンとシャルルルーンは手を組み、貴族たちや大商会が思惑を巡らせ(指輪獲得に大きな資金を投じることが必ずしも最善手ではない)、王太子ソルトリック(初登場)はよからぬ目的に使われることを憂慮する。

 1月2日の王国会議をヒカルを追いかけて欠席したので、3日の王国会議。ナナシ提供の飛空艇が貴族への貸与や定期航路に振り向けられることが発表され、歓迎される。魔核の割り当てでレッセウ新伯爵が異議を唱えるが、それはビスタール公爵領に出動する騎士団がレッセウ領内の魔物制圧に協力することとバーターなので通らない。レッセウ新伯爵は鉱山の稼働率を上げて領内貴族の機嫌を取りたいようだった。

 帰ろうとすると、迷宮都市から王都の異変を聞いて、サトゥーの安否を知りに駆け付けたゼナが、セーリュー伯爵家の家臣とサトゥーに同時に出くわす。サトゥーが詐術スキルで、伯爵の身を心配した忠義の行いにすりかえる。夕刻まで自宅で歓談と思ったらシスティーナとカリナがサトゥー「病気」の見舞いに来ていていつもの宇宙は大ヘンだ。すっかりシスティーナはサトゥーの弟子を自認している。

 そこで、体験入学から入学希望者向け講習まで含まれた、王立学院の短期講座の話が出る。

 ゼナたちを帰し、レッセウ新伯爵のせいで延びた4日の王国会議延長戦。サトゥーは王立学院まで仲間たちを送りに来る。するとまたゾーゴン男爵家の次男パリーがシェリンをいぢめている。父の汚名をそそごうと、騎士になりたいのだった。サトゥーが割って入ると、まもなく教師が来て少年たちを追い散らした。シェリンのために口利きをしてやったヘイムが、シェリンに見張りはついているが反ビスタール派あぶりだしが目的なので、シェリンを助けてくれないとつぶやく。

 幼年学舎に入れられたポチとタマは、ケルテン侯爵の孫娘チナと仲良くなる。ミーアはアリサの解説付きで、魔法学舎の臨時教員になる。カリナは騎士学舎でいろいろ武具を壊す。

 ある日、宰相がサトゥーたち貴族11名を呼んで食事会をした。ブライブロガ王国料理が多いと宰相は言ったが、昆虫料理に脱落者が続出した。外務大臣も混じっていて、宰相は美味そうに芋虫を食べるサトゥーに「合格」とつぶやく。とりあえず回ってきたのは、ブライブロガ王国使節団の晩餐会での陪食だった。

 だがその場で、鑑定の魔眼を与える秘宝「竜の瞳」が盗まれ、犯人であるシャルルルーンをサトゥーが見抜き捕える。

 幼年学舎と入学希望者向け春季教室の合同で遠征実習が行われる。反ビスタール派は、シェリンとチナを誘拐してゴウエンを再び刺客とし、軍の矛先を鈍らせる計画を立てていた。班長になったバリーが独断で一部の生徒とともに間道に入り、ネジ付き魔物とそれに追いかけられた小型の魔物の波状攻撃を受ける。ポチとタマが大部分を片付け、ヒカルが救援する。シェリンは勇戦し、いつか強くなることを誓う。面目を失ったバリーはポチとタマのシャテイになる。

 そしてオークション。アシネン侯爵夫人は、ポプテマのためにエリクサーを落札する。ケルテン侯爵は「魔刃」の宝珠を手に入れる。サトゥーは金貨31万枚を会場に持ち込み、200万枚は出せるように用意していたが、王太子と競り合って物理的に圧力をかけられたところ、別に控えていたヒカルが2万枚で落札した。それをピピンと、脱獄させられていたシャルルルーンが狙ったが、あえなく捕まった。

 だが仲間たちは、祈願の指輪をヒカルが「ヒカルのイチロー」と出会えるために使ってほしいと願う。ヒカルはそれを受け、「願いはすぐにかなう」と神のメッセージを得る。

 ナナの姉妹たちがエルフの里から戻ってきて、修行のために迷宮都市に向かう。

 ビスタール公爵領に派遣された騎士団が全滅したこと、ヨウォーク王国がビスタール公爵領の反乱軍に手を貸しているらしいことが聞こえてくる。

  • キャラ関係

 サトゥーのユニークスキル「ユニット配置」が有効化される。「魔神の落とし子」を倒したことがきっかけに違いないが、正確な有効化条件は不明。源泉を支配しているマップ全域と、自分が所有する建築物が移動先として選べることが試行の結果わかった。巻末近くで、クロはエチゴヤ商会の支店予定地に配置する人員の育成が終わらないうちに、建築物だけ手配するよう命じる。

 そのテストの途中、竜の谷で魔力が流れ込んだ後、「魔神の落とし子」打倒直後に得た「空白スキル」が有効化されたことに気づく。当面無効化しておく。

 ヒカルの実家の神社にまつられた天之水花比売の言葉を下ろす体にして、ヒカルがかつて言った言葉を思い出す。この名前はもともと龍神であったことを覆い隠し、水の神として鎮めるために天神たちがつけた名であると。

 ヒカルのユニークスキルは友愛(みんななかよし)。クラウソラスはヒカルに返す。

 トリーアはネーアの(料理)免許皆伝を得るが、「罠師」「トラップ・マスター」といった称号も得ていて、食材狩猟の修行もしたと思われる。ホムンクルスたちはエルフの里を離れ、迷宮都市でレベリングすることになる。

  • 食材・料理

 サトゥーとルルのお節料理が振る舞われ、久々の和食にヒカルが泣いて喜ぶ。

  • 武器・機材・技術

 アオイとジャハド博士がエチゴヤ商会に雇われる。

  • その他

 ムーノ男爵(伯爵)の嫡子オリオンは、最近の事件のあおりで成人式をオーユゴック公都で迎えることになる。

 ユイ・アカサキの婚約者が、王の庶子であることはWeb版通りだが、ゴォークツ商会の御曹司とされている。Web版ではソウヤという名前だったがまだ名乗らない。

第19巻

  • できごと

 王都で宰相との会食に呼び出されたサトゥーは、宰相自身のまとめた観光情報をエサに、観光副大臣を引き受けさせられる。あらかじめニナやオーユゴック公爵と相談して、「気ままにさせておくのが王国のためになる」との献策を得ていたことを宰相はにおわせる。

 王都を離れる前にゴウエン一家と面会すると、ひとりになった(実母も反乱に連座)ソミエーナのことを頼まれる。第16巻のビスタール公爵邸襲撃でナナシとソミエーナには面識があったので、ナナシの姿でそっと会いに行くと、実父トーリエルへ帰順を促す手紙を託される。

 ゴーレム馬と装甲馬車の旅程をところどころ転移で短縮し、より快適な自作の馬車に乗ったりしながら、まず迷宮都市に戻る。ここでカリナとホムンクルスたちはレベリングに移る。そして再会した養護院の子供たちが成長している姿を見て、成績優秀者を王立学院で学ばせることを思いつき、王都に残ったヒカル=ミツクニ公爵夫人に寮母役を託す。

 ゼッツ伯爵領に差し掛かるとレッセウ伯爵領からの難民が目立ち始める。地場の果物でエチゴヤ商会に工場を興させて雇用を作り、残りは王都に行ってエチゴヤ商会の開拓事業に参加するよう、道中の食糧を配る。

 レッセウ伯爵領に入ったところでビスタール領反乱討伐軍の軍列に出会ったので、公爵らにあいさつする。観光副大臣になったこととシガ八剣を辞退したことがセットになって、「文官で立身するつもり」と受け取られており、サトゥーはそう思わせておく。

 レッセウ伯爵領はこれまでに噂されてきたとおり、陪臣たちを若い当主が抑えきれていない。伯爵自身も虫のいい「投資話」をサトゥーに持ち掛けるありさまで、若干の援助をして通過する。領都はメンツにかけて領軍が奪還すると、ビスタール領反乱討伐軍の支援を断ってしまい、まだ魔物を掃討しきれていないので放置する。

 ヨウォーク王国に隣接するカゲゥス女伯爵領に来ると、アリサを呼び止める者がいる。クボォーク王国の遺臣が、逃げ延びたエルゥス王子を中心に再興活動をしていた。紫髪への忌避に加え、新たな王族登場が運動を割りかねないことを幹部たちは警戒する。金品を贈っただけで、ひとまず通過する。そのさい窓口になった老臣から、アリサとルルに「強制」をかけた宮廷魔術師オルキデが、まだヨウォークに雇われているらしいことを聞く。

 ヨウォーク王国軍はトーリエル軍に助勢しているが大っぴらにではなく、国境は副大臣として通過できた。ヨウォーク宮廷にもいくつか派閥があり、国王は「幻桃園」という組織の魔法使いミュデに精神支配されていた。ヒカルに問い合わせると、フルー帝国時代から精神魔法を使い権力に取り入り、策動してきた組織で、ミュデの名も当時の首魁と同じだと言う。オルキデはクボォーク王城に左遷されていることを、豪華そうな杖をオルキデに言づける体で聞き出す。

 地元の酒場で王族の埋葬地を聞き出したサトゥーは、アリサやルルを伴ってクボォーク城跡近くを訪ねる。そこにかつてヨウォーク王国の甘言に乗った裏切り者の旧臣ニスナークが幽霊となって現れ、激高するアリサに迷宮核にとらわれた王族たちの魂を救ってほしいと願う。

 サトゥーは生贄迷宮中層に2カ所の「別マップ」があることをつきとめる。そのどちらかにオルキデがいるので捕縛すること、そして最下層にある迷宮核を破壊することがミッションとなる。

 迷宮はヨウォーク王国軍が訓練に使っていたが、危険な魔物に対して使い捨てるように旧クボォーク兵士が使われていた。偽計を使って「足止め」のクボォーク兵士が取り残されるよう誘導し、兵士たちを砂漠の都市核の力で「貴族に任じ、取り消す」ことで奴隷状態を解除する。そしてエルゥスたちに合流させる。

 最初の「別マップ」には人と魔物のキメラを作る魔法使いベドガーがいた。もともとこの研究はオルキデが命じられ、飽きて投げだしたものだった。ベドガーはクボォーク騎士を使ったキメラにサトゥーたちを殺させようとするが、すでに強制のための針や爆弾は取り除いてあったので、ベドガーが復讐を受ける。

 もうひとつの研究施設も無人だったが、記録が残されており、こちらではオルキデが魔法使いをキメラにしていたことを知る。迷宮核に接近すると、そこに魔導師キメラを引き連れたオルキデがいた。そしてサトゥーはスキルを込めて実行できる「偽りの魔黄杖」の力で、「強制」にかけられてしまった。[おそらくかつての王国簒奪のさい]アリサの「不撓不屈」を杖で受け止め、チャージしてあったのである。

 だが「強制解除」スキルは取得できていて、偶然からそれは発動し、あわや仲間たちを殲滅しそうになっていたピンチを脱する。今度はオルキデがかけた「強制」を「偽りの魔黄杖」で受け止めて、オルキデに「強制を禁じる強制」をかける。オルテガは「強制」を使い、その結果として死ぬ。父母兄弟の魂と別れを済ませた後、アリサとルルは迷宮核を破壊する。

 キメラ騎士とキメラ魔導師を脱出させ、奴隷状態を解くと、サトゥーは彼らをエルゥスに引き合わせ、合流させる。

 迷宮の破壊は旧王城の破壊でもあり、それに乗じてエルゥスたちも起とうとしていた。先走って孤立した反乱派に朝まで持久するよう伝えると、サトゥーたちは朝まで、兵器破壊、移動妨害など反乱が成功しそうな条件を整えて回る。そしてエルゥス王子は旧王都を制圧し、クボォーク王国の再興を宣言する。

 そのころビスタール領反乱討伐軍は、ヨウォーク軍の操る下級竜に苦しんでいた。ナナシが登場し、「黒竜の友」の称号で威圧すると下級竜は去り、黄金戦士たちは盾代わりに使われていたクボォーク兵士たちを救出する。戦局は一気に傾き、ソミエーナの手紙を受け取ったトーリエルは降伏する。

 その後、支配が解けた下級竜はヨウォーク王都を襲い、国王をショック死させる。すべてを終え、ニスナークの霊と再び会ったアリサは、成仏を許す。サトゥーはエルゥスに短く祝い事を述べ、「偽りの魔黄杖」に残された「強制」でアリサやルルとともにエルゥスの奴隷状態を打ち消すと、食糧など当座の必需品を引き渡して去る。

 次の行き先を話し合うサトゥーたちに謎幼女からのメッセージが届く。パリオン神国でハヤトたちがピンチであると。

  • キャラ関係

「風刃」バウエンはWeb版ではゴウエンの代わりにシガ八剣に入っている人。書籍版では候補に格下げされてしまった。

 今回登場したノロォーク王国関係者の多くは、『デスマーチから始まる異世界協奏曲EX』所収の「アリサ王女の異世界奮闘記」にすでに登場する。兄王子の中でもスィータムとエルゥスの二人は紫髪への偏見が薄く、仲が良かった。

 迷宮都市で再会したアシネン侯爵夫人から、国王が奏上の男爵/准男爵位に加増するというのはきわめて異例のことなのだと聞かされる。同席したポプテマ前伯爵は、「パリオン神国の周辺国への紛争仲裁が不評を買っている」と戦乱の可能性を伝えられる。

※第18巻47頁では「奏上にあった男爵位では不足」と国王が述べているが、第19巻68頁では「准男爵位の奏上で子爵に?」と夫人が驚いている。第17巻46頁でニナがサトゥーに、「男爵で推挙するが2段階以上は却下されることが多く、まあ准男爵は確定」と告げているので、その話をそのまましたのであろう。

 迷宮都市、迷宮下層などで破壊力の高い技術を供与していく「黄衣の魔術師」の存在がクローズアップされてくる。

  • 食材・料理

 77頁にさらっと触れられている古文書「幻の宮廷料理」のレシピ再現は、ドラマCDの内容となっている。

  • 武器・機材・技術

 カリナが迷宮都市から旅立つサトゥーに、「魔封じの鈴」を預ける。

 オークションで落札した「麻痺耐性」の宝珠はナナが、回復魔法のある「水魔法」の宝珠は落ち着いて後方で立ちまわれそうなフィーアが使った。

 同様に落札した「物質転送」「伝書鳩召喚」「臭気空間」のほか、シーメン子爵からもらった「影鏡」、宰相のつてで入手した「鉄筍」「乱気流」「落気槌」の巻物を使って習得する。

 生贄迷宮での戦闘で、ナナのフォートレスが破壊され、キャッスルやモービル・フォートレスへの世代交代が促される。

 チャージしたスキルを3度まで発動句「黄昏よ、来たれ」で使える「偽りの魔黄杖」が登場。

 ホムンクルスたちの装備については、何の記述もない。

  • その他

 レッセウ伯爵領難民の殖産事業として、ゼッツ伯爵領でとれる蜜柑を利用したドライフルーツ工場をエチゴヤ商会で立ち上げさせた。

「走竜」はしばらくぶりの登場。第5巻でトルマ夫妻を救出する際、盗賊から接収した。第5巻ではポチとタマ、第7巻ではリザとナナが主に乗っていた。馬車とともに迷宮都市の屋敷に留め置かれていたらしい。

 実は第7巻123頁で、アリサとルルに「強制」をかけた宮廷魔術師は「殺されてしまったらしい」ということになっていて、別に「西方で暗躍する闇賢者」の存在について触れられている。

第20巻

「できごと」の更新は9月10日前後まで控えますが、今回ちょっと「敵の組織構成」みたいな話が出まして、そういうところはもう少し話が進んでからまとめたほうが良いようにも思います。戦闘シーンが多いので、ざっくり短くしても後日の参照に支障はないように思いますし。

  • できごと
  • キャラ関係
  • 食材・料理
  • 武器・機材・技術
  • その他

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2020-04-24 (金) 13:47:11 (105d)